okaeri.com 11-20/AB(なかほど)
 
  



「今年の鮎う ちっこおてえ、」
小さい頃から毎年聞かされてきた
親父の秋を告げる声



魚屋の親父だけは
てやんでえ、と言いながら
いまでも娘の帰りを待っている



あれ以来だよ
夢で会うなんて って
見ている側から食べるなよ



あぜ道 道草 帰り道
生まれくるもの帰り道
生まれゆくもの帰り道



夢 やぶれて 帰途
どこからか いしころ一個の うなり声
ずるいよ まだ 帰れない



あの頃のようにこたえてくれないかい
夕焼けのコメットさん
日暮れが近いよ



あれから基地の中や夜の街や内地で
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