風の宇宙の歌声〇刻(改訂)/ひだかたけし
 
ああ 風の吹く、透き通る
空気、気圏の冷気に触れ
含む熱、むうと放散し
大地に建つこの街に
秋という季節、刻んでいく
(高く天に 
怖いほど深い青、打ち震わせ)

 地球、太陽から遠去かり始め
 それでも爆発する光点に惹かれ引き寄せられる時、
 黄炎フレアに紅葉の森燃え立ち

ああ 秋風吹く すきとほる
この刻また開き裂ける永遠に
わたしは何処までもひろがっていく意識となり
己が絶えず引き摺る鉛の肉、
静かに耐え委ね預ける

呼ばれ呼んだ風の宇宙の歌声に




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