sayonara.com 11-20/AB(なかほど)
 
置いてあった
原稿用紙に書いてあったこととそっくりだ



あ から ん までのきみのこと
ろくがつ だけが
かすんで る



君の知らない街のひとくちのコーヒーは
僕の気持ちを包もうとしたオブラートを
簡単に溶かした



君が百本の小説を乗り越え眠るころ
僕は一握の詩の前で童貞のままで
国際色の喧騒にしがみつきながらも
同じ月の夢に ニャー と哭く



  
 
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