陽の埋葬/田中宏輔
ンズのジッパーに手をかけると、ここでは嫌だと言う。じゃあ、ぼくの部屋にでもくるかい、と、ぼくは言った。まるで他に行くところがあってもいいかのように。
ぼくたちは立ち上がって、川上から川下に向かって歩き出した。ふと視線を感じて振り返ると、ぼくが坐っていた場所に、死んだ詩人が坐っていた。しかし、ぼくにつられて、マコトが振り向いたときには、詩人の姿は消えていた。マコトがぼくの腕に、自分の腕を絡ませた。ぼくはマコトの手をぎゅっと握った。勃起したペニスが、歩くたびに綿パンの硬い生地にこすれて気持ちよかった。
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