コインランドリーのテーブルで/番田
何も言葉を無くしたらどうなるだろうと、思いつつも牛乳をコンビニで買ってきた。知り合いのいないこの街で。川だけが友達のような気がする。履き慣れた靴を僕は履いていた。その存在すらも忘れていたような気がする、僕は、コンビニから牛乳を持って、出てきた。ドアが開いて歩きだすと、流れていく景色に現れる見慣れた居酒屋や入ったことのない床屋。そこを曲がると僕の住むアパートの通りに入った。そんなことは、そして、どうでも良かったのだ。何でも無い、景色の中にあるもの。僕はそれからまた、為替相場のことを考えていると、ポケットの中のスマホの存在が気になった。僕は川は今日も流れもなく、月を映している鏡のように見えた。僕の知ら
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