昭和という時代に生まれて/涙(ルイ)
 
ということを
はっきりくっきり思い知らされました
テレビではしきりに キツネ目の男の似顔絵を映し出しては
世の中に恐怖を煽っていました


相変わらず父親は些細なことで機嫌が悪くなり
醤油の瓶を投げつけられ 危うく失明しかけていた頃の出来事でした
兄が呑気そうに観ていたアニメ パーマンが
やけに虚しく見えたのをよく覚えています
ついでに云うと 子どもの頃の私はカレーが食べられず
あの黄色っぽい色合いがなんだか受け付けなかったのですが
珍しく家族で軽食屋へ入ったとき メニューを見ていると
父親がさも偉そうに、みんなおんなじもんだ!って云って
よりにもよってカレーを注文しや
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