昭和という時代に生まれて/涙(ルイ)
式で
電気すら通っていませんでした
昼ならともかく 夜にそこにいくのがなんとも怖くて
行くのを我慢したことも何度もあったし
風呂もどこかで拾ってきたようなささくれがいっぱいついた木の風呂で
子どもが入るには深すぎて 足をつけるのにも一苦労
おまけにでっかいねずみが何匹も出るし
まったくもって風呂に入りながら汚れにいってるような
なんとも嫌な気がしていたものです
保育園に通っていた私は 帰ってきても構ってくれる大人は誰もおらず
寒空の下 スモック姿のままで岸壁にしゃがみこんで
母親の帰りを ひたすら待ち続けていました
家にはテレビが一台ありましたが
その頃保
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