雨垂れが聞こえ続ける限りは/ホロウ・シカエルボク
減ひとつだ、貪欲に生を求めようと、死んだように生きようとね、だけどひとつだけ断言出来ることがあるとすれば、楽をすれば楽しみは減るってことくらいさ、どんなことだってそうさ、ひとつ突き抜けるためには途方も無い時間と力を注ぎ込まなくちゃいけない、おまけに結果はすぐに出たりなんかしない、継続は力なりって言うだろ、だけど本当にやり続けるためには、同じことばかりやってちゃ駄目なんだ、だから俺はこうして雨を避けている、見たことのない世界、そこで蠢いているものたち、俺が求めているのはいつだってそんな世界との関係性なんだ、不意に、毒ガスと同じ速度でささやかな風が入り込んでくる、もうすぐ雨が止むのかもしれない、そして
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)