雨垂れが聞こえ続ける限りは/ホロウ・シカエルボク
して暮れ始めた、次第に気温が下がって来る、でもまだ震えるほどじゃない、もうその頃には、聞こえている雨の音が現実なのかどうかよくわからなくなっている、確かめてみたいのなら手段はひとつしかない、立ち上がって外を歩くことさ、そしてそのまま家に帰って詩をひとつ書いてみることだ、でもそれはもう少し後でいい、そうしようと思う頃にはもっと頭もしっかりしているかもしれない、一日というプロセスには何の意味もない、そうだろ?だから俺たちみたいなのが躍起になってワードと睨めっこをするんじゃないか、意味なんてものそれ自体が、人間が作り上げた幻想かもしれない、理性は奇形化した野性だ、だからみんな噛みつく先を探しているんじゃ
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