雨垂れが聞こえ続ける限りは/ホロウ・シカエルボク
気も、海鳴りのような反響も、だから俺はそいつらに踊らされてしまう、サイレントなんて空間は存在しない、どんな場所だろうとそいつらは語り続け、叫び続ける、そしてどうしようもない悲しみに打ちひしがれてる、苛立って憤っている、半ば眠っていた、本当に叫び声が聞こえていたんだ、俺じゃなければいいけどなって最初は思った、だとしたら誰かが様子を見に来てしまうかもしれない、そんなことになったら俺はほんの少し凶暴になってしまうかもしれない、でもそんなことは起こらない、俺はこいつらと同じさ、俺は無機物のように眠り、語り、叫び、憤る、違うプロセスが必要なんだ、なぜなら俺はまだ打ち捨てられてはいないからね、存在はさじ加減ひ
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