初秋の気化現象に関する一報告 (旧作)/石村
 


つめたい自転のひだひだから風のたましひもきつくかたより

伯林青の(ベルリンブルー)それのだまつて行き過ぎるさまは何だ。

とても九月の心ない祈りやみづつぽい敬虔の

能くすみずみまで関知するところではない。

すくなくともしんじつな天然の労働が

ひとつのすさんだ明滅のわざをなすのは

不可欠(?)の天性であると云へなくもない……

山々の酸化したかたまりは

くろぐろとあらびてもちあがり

喧しくすみわたつて散乱する偏光のなかに

かへつておちついてねむるものだ。

(何もかもみなむづかしく

 たくましいこたへなどありさうもない…
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