ソネット(触れている) (2005.5.15)/
和泉 輪
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている
嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから
言葉は触媒にしか過ぎない
しかし語り尽くそうとして
彼らの前に震えて立つとき
私は気付き始める
何も無くとも語れぬ何かに
私の全ては触れている
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