手紙/由比良 倖
知れない
それとも、いまだ手紙魔でしょうか? 僕はブログをいくつも開設しました
僕に手紙をくださいましたか?、僕はそれを読んだでしょうか?
あなたの墓前に咲いた花、それが僕です
宇宙の底の、地球の底の、夜の底の、すみれ色の薄明の底で
あなたは眼の中に満月を抱いたまま
銀河系のように
眠り続ける
理由も問わず
あなたの透明な眠り
ねえまゆさん、ハッピーエンドなんか最初からありはしなかった
宇宙は立体の影
宇宙には五十億の見えない光が存在しているとブッダは言っていました
それはきっと緑色の文字で書かれていて
死にたいほど悲しいとき
夢も見られないくらい
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