陽の埋葬/田中宏輔
 
また、鍵がかかってなかった。
わたしの部屋と同じ、
ベッドのほかは、なにもなかった。
ひともいなかった。
ただ、ベッドのうえに
大判の本が置いてあるだけだった。
写真集のようだった。
表紙は、後ろ手に縛られた裸の少女。
少女の顔は、緊張した面持ちで青褪めていた。
ページをめくってみた。
一匹の大蛇が、
少女の頭を呑み込んでいるところだった。
さらにページをめくってみた。
めくるごとに、少女の身体は、
大蛇の顎(あぎと)に深く
深く呑み込まれていった。
最後のページは
少女を丸呑みした大蛇の腹を撮った写真だった。
わたしは
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