メモ1/由比良 倖
なるほど、世界が大きくなって、自分が消えたとき、世界の全てだけが残る、多分それだけのこと。
僕はナチュラルハイが多分一番気持ち良くて、しかもそれには危険性が(おそらく)無いと知っている。音楽の快感や、書けることの幸せ。……躁鬱の人は、躁のときの万能感が忘れられなくて、鬱のときの惨めで不幸な自分を余計に辛く感じると言われている。一番調子がいいときの自分こそが本来の自分なのだと、誰だって信じたくなるものだから。僕はそれに少し近いかもしれない。少しくらいの幸せな気分では満足出来なくなっている。本当の幸せや気持ち良さは、こんなものじゃないんだって。地道に気長に努力することを忘れて、自然にハッピーな
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