ノイズ/
たもつ
洗濯槽の水底
左折する
何もない身体
空っぽのタクシーが
隙間に落ちていく
昨日会った男は
鼠色の袋を
大事そうに抱えていた
都市の壁を
そのための朝を
〈間奏〉
貫く植物の想像
何度でも
剥がれる
崩れる
散逸する
愛もしくは
愛に似たもの
折り畳まれた物質を
噛み砕き続け
やっと
また会えたね、
産声
〈ノイズ〉
(初出 R5.9.27 日本WEB詩人会)
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