がらんどうの部屋の抜殻/ホロウ・シカエルボク
 
だっていい。あってもなくてもいい。要はどうしてそれを求めたのか、どんなふうに求めたのかという動機と経緯があればいい。成長とはすぐにわかる事を排除して、その先に何があるのかを考えてみないことには成り立たない。初見で得た感触だけでわかった気になって片付けて、そんな自己満足をいくら積み上げても高くなりはしない。すぐにぺしゃんこになってどこに行ったかわからなくなってしまうだけだ。そう、結局のところ残されたのはがらんどうの部屋のみだった。だからどうした。そんなことはどうでもいいのだ。部屋の為に生きてきたわけでもない。がらんどうになったので集中しやすくなった。部屋の真ん中に腰を下ろして、静かに呼吸を繰り返した
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