訣れ (旧作)/
石村
春の水蒸気は何処に行つたのか
この空は禊(みそ)ぎするものの色
永訣の色
地上は百色さんざめき
めざましくもゆたかである
いちめんの輝かしき生存
疾風は田園の暮色をよぎり
瑞穂はうなだれる
(一九八九・十一・一)
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