一昨日後ろの僕と/アラガイs
 
貼り付けた写真画の女の子たちから誘いを受けるのだ。僕は都会のアスファルトを風を切って歩き、最新のモードを着て、街ゆく女の子たちはみんなごそごそと振り返る。気分はアランドロン。ずっと鏡ばかり眺めていた。口を開かずに餌を待つ雛鳥だった。

同級生から誘いを受けた料理屋でアルバイトをしていた。夜専門の料理屋は二年足らずで潰れた。暇になれば一緒にアルバイトをしていた女の子と隠れてはキッスをする。桜桃にレモンの味がした。その女の子は結婚を控えていて、友人を紹介されたが僕は自信がなくて何も言い出せなかった。小麦色の肌をした笑顔の可愛らしい女の子だった。
それから一年と二回目の夏が過ぎた辺り、定職に落ち着
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