(みっつの青のこと)/soft_machine
 
   ワルツ



 青のつぶが昨日より
 すこしだけ小さい

 明日になれば 目に見えなくなって
 ひろく つめたく降るだろう
 そして

 濡れた道ばたで
 セミとコオロギが ひそひそと
 次のことを噂して
 夕べの痛みから かけ離れてゆく
 そして

 網にゆびをかけたのは誰
 白いホーローを
 しずかに叩く やさしい雨

   いくつ 歳をかさねても

 そんなにさみしいのなら
 ひとつに なりたいのなら

   育てきれない ちいさな声で

 純粋なかけら 野良猫のように
 たくさんの名前を持つ ワルツ
 けれど 包まれてもいて
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