夜の倉庫から/番田 
 
夜が更けた頃
川沿いの道を僕は歩く
時々跳ねる魚の音を聞きながら
大きく 肩のこった 腕をふって
倉庫から出ていくトラックを見る
どこに これから 行くのだろう
フェリーに乗って 大洗港から
今夜はペテルブルグに行く人もいる
夜道の方が空いていると
時間を調整して出ていく人もいる
あるいは香港なのか
わからない だけど
僕は腕を振って部屋に戻る
渋谷に高校生の頃 出かけて
帰ってくる時の気持ちみたいな
顔をして
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