寂然と水鏡/あらい
 
紫の空に月が星が烟るように煌く

緑青の鳥籠から カワリバナかと咲う
包み隠すあと 汚らしい唇慰めにも
正直なところ。と茎を啜る

互いを愛撫するように敷き詰められた
生?い風が 安易な処を剥き出しにして
花も舟も鏡も提灯も、どの生き方にもすべて
違う姿を纏わせるわけだから

ただ茹だるような靄が、さいごまであり
やはり 狂っているのだろうさ

地平線より太陽が微笑うよう
描かれた、
塩水より泥水より
土の中から
線香花火が生えてきたから。

もうあかんのだろうとおもった

指の股から人の顔が見えてしまったから
隠れていたのかといまさらにきづいた。
覆ったところで 見知ったかおりだから 


裸足で逃げた 肢体たち
ベランダから しろいくもに告る

貪ると白雲
無惨にも白磁
霧幻な白煙

今はまだ、海の底のトイピアノ
やすらかでなだらかな波風が
ただただ ひかれている
ただ 傾けられた すがた 
夏が終わる。かたち、だけの
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