Growth/ホロウ・シカエルボク
そ日常では辿り着けない領域での思考のプロセスを、狂気に惑わされることなく受け止めるためのツールだ、室外機はまだうねり続けている、汗に溶けるような暑い夏はもう少し続くだろう、二四時間営業のハンバーガーショップ、さすがに人影まばらな客席で、優し過ぎるエアコンの設定に震えながら焼け焦げた心を見ている、ストローからダイブしたアイスコーヒーが喉を塗り潰していく、叫び出したい衝動に駆られるけれどそれはきっとロクな詩になりはしないだろう、ミルクポーションとシロップをひとつずつ全部入れる、化合物の夢たち、LEDの無機質な灯りとヒットソングの中で、公衆便所に書きつけたものたちは遺物と成り果てて行く…。
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