想/
由比良 倖
消えない痛みもあなたのことも
クジラのように
忘れました
昼間
麦の入ったコーヒーを飲んでいると
不意に涙が出てきました
自転車に乗って
風のない谷から
一人の影がやってきました
体が
液体のように
ぶくぶくになればいいと思いました
戻る
編
削
Point
(3)