白猫/久遠恭子
 
眠たい白猫が誘う
チョコレートコスモスを頂戴
瓦礫と廃墟の世界で
チヨコレイトと叫んでみる

繰り返される言葉の狭間で僕らは何億回のキスを送ればいいのだろう
終わらないまだ終わらない夏を
錯覚と答えればいいのだろうか
さもなくば全て沼の中トプトプ
またはチャプチャプ
足を取られないように気をつけて

透明な雪が夏であったように薄靄の雨が降る、降る時、降れば
もうすぐ秋だと蜻蛉は言うけれどまだ暑くて朝晩は少し涼しくなってきたけれど

ほうら見て猫が蜻蛉を追いかける
ヒュルリラ飛んでどこ行く風よ
石の影、水の底
潜む魚の鱗が光る
ギラリギラリ
まるで猫の目みたい
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