家/はるな
 


あなたは静かに家をつくりはじめる
静かに 何年もかけて

あまりにも美しくそれは成されたので
家ではなく 森や 額縁や ひとかたまりの風に見えた

静かに何年も何年も
何年も何年も何年も何年もかけてそれが終わったとき
だれも気がつかなかった
その家に扉がひとつもないことに
あなたがずっと
内側からそれを作り続けたことに



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