サクリファイス/soft_machine
 
 きみにあげた 乾いた骨は
 ある深さの空で生まれ
 漂っていたのだと思う 低い声で 細い管で
 貪る世界から すこし離れていたかった
 喉の重みからぬき出した小骨

 きみにあげられないのはその肉
 青白い月の実が 口の中で滴り
 ふくらんだかと思うまにしぼむ
 感触に操られるまま
 写真がつくうつくしい嘘より
 ありのままの日々を過ごさなくてはならないのなら
 大切なものから
 きみにあげたい

 それとも
 捧げることで 消えてしまうことで
 きみの未来を照らせるのなら
 もう、何も惜しいはずがない
 お願い 言って わかるって

 風になびきひろが
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