オペ看となって初めて帰省した時のこと/板谷みきょう
だからみきょう君のお母さんと知って
「あぁ。イタヤ君の継母なんだぁ。」
そう思ったら
なんだか話し難くなったんです
・・・・・
今まで、すっかり忘れていたけど
そうだ
中学の修学旅行で
十和田湖に行く連絡船でガムを売って
帰って来た時には
結構な金額になって
儲けた分で欲しかったギター用品を
買ったんだった
でも、もう今から
六・七年も経ってしまったことを
昨日今日の出来事みたいに
そんなに怒らなくても…
ボクはその時、そう思っていた
お袋は、知らない人たちが
自分のことを未だに
「継母」と
思い続けているだろうことを
哀しんでいたのだ
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