寝不足/ホロウ・シカエルボク
 
とを知らないと答えた
余程タイミングが良かったらしい、だれ一人それを疑わなかった
ぼくはそれからすぐにぐっすり眠った、病院の空調は完璧過ぎる

炎はすべて消えてしまった、二人の命もそのどさくさで処理された
どこかの専門家がもっともらしいことを言ってみんなが納得したらしい
だからぼくはじゃあいいやと思った
どうせ死と隣り合わせの職業なのだもの

零時になると聞こえてくるヒスノイズ、なにを聞こうとしたのか
あるいはなにも聞こうとしなかったせいなのか
ぼくは家を失って、なんやかんやと役所の人が世話を焼いてくれて
おんぼろのプレハブのようなものに住めるようになった

ぼくは二度
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