往生際のわるい窓ガラス〜レトリック編/アラガイs
 


直射されないように
傷をなめとるように

そうしてきみは二度ふりかえり三度目になって (手遅れになってしまった)

傷ついた光の輪は二度と出合うこともない置き忘れた曇れるガラス板(蝶番の壊れたままに)

細雪ちらほらと舞い落ちる季節にはそのひび割れた器を投げ捨てあなたは誰とお過ごしになるのかしら

外側から覗きこんでごらん

誰かと誰かの顔がぶつかりそれがきみのかの顔に映し出される

なにもかもがぼやけてきて色彩を確かめる視点が定まらない





  






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