太陽と戦慄の夏に/ひだかたけし
小さく紫に白に燃える花弁、
あちらこちらにそこここに
見た!観入る、無数無数の開花!
白雲の絹に自在伸び糸引くひろいひろい青空の下、
収縮しては拡張するイノチの躍動、
名も無き名も知らぬ草花
やがて訪れる萎え萎み消える時ツラヌキ、
溢れ収まり紫に白に燃える花弁、
あちらこちらにそこここに
見た!観入る 無数無限の開花!
病院帰りの緑濃く澄み覆い広がる大地、
この猛暑台風の狂い始めた地球の夏に
太陽と戦慄の夏に、
一つの刻印 この一つの痕跡。
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