人間開花/ミナト 螢
君の腕の中に横たわり
安らぎが散らないように
僕の呼吸を置いたら
君の産毛が逆立っていった
知らなかった花を見るように
君のことを観察したい
肌の光り方とか
爪の切り方とか
どうでも良い癖に
気になって仕方がない
何か食べたくなったら
答えに一番近い駅で
待ち合わせをしよう
触れて舐めて
時々、驚くように
君の内側へと
近付くためのロケットで
さっきまで怖いと思ってた
知らない場所の地図を
一緒に飛べるのなら
目を閉じたまま
空を描けばいい
僕等の夏だけが
吸い込んだ息で
青くなる
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