眼鏡は明瞭 かければ 迷妄〜死人がやっぱりふらついている〜/菊西 夕座
 
ていた 道は 尽きて 満ちた
医がくせいは 老いない 新薬を おいた
ことわりは 個と割れ たがいを 食した
医がくせいは 胃が いがいがした
みずからの意が 意外だった ことに
慄然とした 以外は 医は 痛まなかった
老いない 新訳は わけを わけあたえた
かくして かけた ものは 鏡となった
すべてが 曇り 一切が はっきりした」

埋もれた 語句が どくどく あふれ
あらたな 服を きせろと せがむ
帰せよ 死人よ もといた 闇へ
去れよ 戯言 どくろの 獄へ
しかるに きせば かくも 死は かるく
きみら 無上の 妙なる 語人は
いまや 解かれた 闇夜の 蔵
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