秋/soft_machine
 
 触れたくなるのは ゆき
 話したくなるのは・・・

 どちらもとても
 きみには届かない

 そんな風に伝えるとあなたはいつもの唇で
 湿らせた車輪をくるり転がして
 そっと忍びよる
 それが秋のはじまりよ

 人でいても
 戒められないのは 秋
 ただ愛するための季節
 そして諦めの

 (なぜって 空では もうずっとわたし

  ・・・雪なのよ・・・)

 ただ落ちきれないだけ
 何故か雨にもなりきれず
 はっと失う みじかい距離があって
 それが別れになる夢

 山のむこうでは
 たき火やおかえり
 赤と青と紫と 夕映えのふちで
 にじんでいる

 秋は あなたひとり
 合わせる掌のすき間




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