夜想、病床のうた/ひだかたけし
水道道路、貫き
荒い息に疾駆する白馬たち、
空中都市マチュピチュ麓通過し
クスコからウルバンバまで駆け抜ける
*
強い思念を不断に携え
その力動を徐々に感じつつ
肉体の脈動と硬直を窺い恐れる
俺は未だ執着と理念の狭間に生き
朝一番、路傍の草木に観る開花
白に紫、逢い踊り躍りして流れ出す
実体喪失し浮き立つ色彩に高鳴る感情
*
水道道路、貫き
疾駆し続ける白馬たち、
地上残照の井の頭公園まで
久留米から三鷹市を横断する
わたしの深みから沸き出す力動
反復され反芻される瞬間の光景
白馬の疾駆に純粋な想い憧れ無常貫く
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