故人を偲ぶ/短角牛
私は葬式がきらい
何のためにいくのか そんな自分が嫌になる
激しくない人づきあいの中で
人の心配はすれど 人から心配された記憶はあんまりない
あくまでも他人 それが死んだら いつのまにか慕情
悼みはしても 弔いはせず 献杯はひとり 星に向かって
私が死んだら 誰が葬式に来るのかしら
何もなかったように肥料にでもしてくれるのも 悪くはないのだけれど
でも みんなが寿司でも食べて笑ってくれるのなら それも良い
表情のひとつ一つが 私の人生だったのかもしれない
私は葬式がきらい
詩を書くためにいったのかと 自分を責めてしまうから
悼みはしても 弔いはせず 献杯はひとり 星に向かって
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