ゆりか/山本やま
 
丈の藍色の花柄ワンピース、
靴箱に8センチはあるエナメルのヒール靴などが少しずつ増えていった

薄紫色の大学ノートが本棚から出てきた
女性目線で書かれたポエムや日記がびっしり詰まっている
それがまた妙にポジティブで可愛さは正義な文章だった
読んでいるだけで吐きそうだった

誰かが僕の知らない間に、僕の部屋で勝手に生活をしている

警察は近所の人たちに聞き込みをしてくれた
向かいのアパートに住むお爺さんが見ていた
女性の服装で外へ出て行く僕に似た男を
何それ僕がやったっていうこと?
そうは言われても何一つ覚えていない
警察の僕を見る目は冷んやりしている

気分が悪くなった僕は家を飛び出して公園へ
しばらくベンチで横になる
目が覚めたので、帰りにセブンイレブンへ寄る
酒といくつかのつまみ、
そしてバラドゥの季節限定ネイルを買って帰った




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