熱病まで/あらい
 


外干しされた骨格から
神格化したぬるいダージリンに 
陽炎と供えておった

たとえるなら女
 
五感を掴んだささやきとわたしは 
ようやっと 晩夏 だろうか

まいたばかりのカーテンを
妙に妙に掻っ攫うつらが、しらないことを
口をあけてほろほろと潜り込んだ
淡青の空が衰えて行く 他者の不幸だと

わたしを 
はずれないよう 
からだに巻き付け
らくにするのか

はしだした語気に平伏する
その最期のとろ火だろう

波音が
爆ぜたわ

その 熱病まで

(リネンと白いハットで、すくいあげたら)
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