空言/山本やま
 
偽物の珈琲を買った
何が偽物って、ポーションタイプだった
別にこだわりなんて無いから、何でもよかった

偽物の仕事を始めた
何が偽物って、給与が出ないタイプだった
別にどこかに属したいだけだから、それでよかった

偽物の恋人ができた
何が偽物って、画面の向こうにいるタイプだった
別にメッセージのやり取りだけで癒されたから、それでよかった

偽物の結婚をした
何が偽物って、会話がドッジボールなタイプだった
別に嫌になれば別れる予定だから、それでよかった

ポーション珈琲は不味いからゲロゲロに砂糖を入れた
余計に不味い、眠眠打破ができた

ほぼ無償でやっていること
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