白暗淵/
ひだかたけし
薫陶受ける魔と魔を均衡させ
柔らかく硬く熱く冷たくいき
ひっくり返っては起き上がり
せみしぐれ、
さるすべり紅に
一瞬 息絶え、
魂の深みに白く暗い淵の在り
渦巻く沈黙の肢体艶やかな闇
蝉時雨一瞬死に耐え生に為り
繰り返し反復される
魔と魔の間合い、
生と死の均衡、
聖なる力動と呼応し
老衰へ向かうこの肉体携え、
突き抜ける向こう 根源の岸辺。
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