休日の交差点で/番田 
 
また海に来た僕は
見ていた 同じ水平線を
ラインのどこか半円形の
木と同じ 垣根の間を
レッドロブスターの黒い看板を通り過ぎて
バスで走った 道を
そして何かを探していた


コーネリアスが雑誌に出ていた
騒動と言う言葉で表した問題と
新曲の出来栄えについてのコメント
僕は曲すらも聴いてはいなかったが
昔 雑誌で見ていた姿とは違う
その姿を 確かに 今日は見た


考えるということ それは
何かを思うということではない
しかし 昔訪れた国の街角を思い出す時
考えることほどつまらないことはないと知る
ベトナムの船から見た砦の跡や
バンコクで通り過ぎた名のしれない仏像に比べれば
実体の無いことは言葉ですらも無かった


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