陽の埋葬/田中宏輔
 
き、……、)

しづかな庭で、

魂は

わたしからはづれ、

わたしからはぐれて、

また戻つて、

またはぐれて、

──いいえ、

わたしは、

どこへも行かなかつた。

また戻つて、

またはぐれて、

──いいえ、

わたしは、

どこへも行かなかつた。

どこへも行かなかつた。

ただ、しづかな庭で、

ひと掻きの灰のなかを

出たり入つたり、

出たり入つたり、

繰り返してゐた、

繰り返してゐた、

ただ、それだけだつた。



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