友だち/中田満帆
午後の時計がベルを鳴らす
きみの知らない場所で、きみが知らないひとと会う
ばかげた冗談をいくつもいって、死そのものを笑いものにしてやった
きみのいう自殺について発言なんて死の実証よりもたやすいものだ
きみがすべきはきみの窓から友人を呼び集めること
きみがきみであるという論証を獲ることがなによりもさきだね
おれはじぶんの死について大した考えはもってないけど
いえるのは迷惑、──そして生きるよりももっと不可能な満足さだ
洗いざらしのウェスタン・シャツを着て、リーバイ・パタの詩画集をひらく
かれの語る声が聞えるよ。
月のおかげで
僕の中の壊れた破片が見えて
つなぎ合わせるよりも
そっとしておいていいよと。
ここは僕が洗われる
裸の世界。
ともだちに囲まれた
孤独の場所。(リーバイ・パタ「ともだち」より)
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