uroboros/医ヰ嶋蠱毒
アルデヒドに溺れ砂を噛む肥満体の男
深海から這い上り腐臭を司る旧き神々
軈てホムンクルスが棲むウランガラスのフラスコは
悪夢の底より滾々と湧く液状の狂気に満たされる
強姦された寡婦の乳房に
死兆星のような矮さな黒子が芽吹く頃
レディメイドの怪物よりも根源的な恐怖の楽典が繙かれるから
俺の背骨にドレスのような鵬翼を生やせよ逃避
(ウロボロスの円環は唯一の理として在り)
擬人化された深淵達が隊伍を組み布き歩み征く
古の呪詛の舫を解き影を喚ぶ為の触腕が四つ
其の名は糜爛、其の名は猖獗
其の名は怨嗟、其の名は憎悪
屍の眼窩にも似た朔の裏側で独裁者は産声を上げる
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