ダンサーの夜/おぼろん
 
わたしはポールダンサー。
性の餌食になりがちな、
場末のストリップ劇場のダンサー。

わたしの踊りは、評判は良くない。
「もっと脱げ」などという、
罵詈雑言にさらされるのも幾度。

でも、わたしはポールダンサー。
糊口をしのぐには、これしかない。
悲しい? 悲しい。

あといつまでこれを続けられ彩られている?
こんなわたしを待つのは誰?
いいえ、誰もわたしを待っていない。

わたしは男たちに体を売る。
でも、セックスはしないのよ?
男たちはわたしを惹きつけようと……

アメリカなら、ポールダンスは芸術。
日本のそれとは比べ物にもならない、
実力がすべての
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