太郎新聞が行くよ/アラガイs
 

新聞屋は忙しい
その日のうちに記事を書き上げて印刷する
日が明けてまだ暗い夜明け前、遅くとも2時までには配送される
各々集積所から各家庭に配らなければならないからだ
だからといって投稿欄の詩人が忙しいわけじゃない
投稿欄の詩はいつも空欄だ
 鴉も夜は眠る ……詩人は急かされたらいい詩が書けないのだ……
などと威張っても鼻息は薄い
鼻息は唯一広告主でもあるので文句は言えない
 読者「スイカ農場「小太郎」阿蘇の白い火山灰で育てています」?
こんなキャッチフレーズを売りにして種を撒いている

僕の新聞屋は忙しない
記事の編集から印刷に配送まで全部自分でこなしている
ライバ
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