狼/
ひだかたけし
粗くささくれだった
無数の粒子躍る感触、
ざらつきむさぼり荒れ狂う
快の感情どうしようもなく
俺はいつからか狼に育てられた
しずかな夜の闇中に
明かりはふと灯るもの、
あらゆる策略弄し
血と暴力に貫かれた
歴史の堆積を照らし出す
いつからか狼に育てられた
俺はしずかな夜の闇中で
生来の不安と恐怖乗り越え、
俺に自由を与え飛翔させながら
俺の深部に宿り俺を貪り喰う
狼、煌々と灯る明かりの下
ひたすら凝視し認め知る
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