夏の花/リリー
 

 詰まらない
 
 タワ言を 一人並べて行くだけでも

 やはり詩だと
 
 思うようになった。
 
 
 ノンフィクションの世界

 硝子で仕切った空間に

 一鉢のサマースター


 「愛してる」とも言えない

 骨組だけの男女が笑いあい

 無言の抱擁の中に

 唯、時折骨がキシキシと鳴る


 赤い星の花 が咲き誇る

 歎きの無くなった心が

 次第次第に透明になってしまって


 やがて私自身さえも

 心が何処にあるのかつかまえられなくなった

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