おれが愛に気づいたとき、その愛がおれに語ったこと/中田満帆
 

 愉しみはぜんぶ忘れろ
 欲しいものは全滅だ、すべてを清める塩だ
 成分表示を朗読するような人生を投げ棄てて祈る
 子供たちをみんなきみのそとからだして此所にいるんだよ
 破綻と快楽とを融合された手で、その毒をふりあげろ
 いやだ、いやだと泣きわめく子供たちがいるけれど
 データ消滅まで時間は1時間を切ったんだから逃げたってむだだよね
 できればきみを保存したかったんだ、この地下を流れるだろう鉄路の壁に
 きみの人生だったすべてを、ありうるすべての可能性を、
 階下から沸き上がるデスコティックな声援、突然のメール、
 あなたにぴったしのご案件があります。高収入まちがいなしで
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