夏の雨/soft_machine
われ
今 に宛てがわれ
つまらない未来にならないように
スケッチブックは白蛇の足あとで塗りこめた
忘れるべき過去を工夫する
赤子の頬を透かす時
恋人のくちびるを膨らませる時
飴の案外ほろ苦く砕ける瞬間
貼目を感じさせないモザイクに離れ
わっと近づかせるのは
地下鉄を引くおおぜいのせむし
せっせと什器をみがく小人
丘を越えて連なる
雲の舌 雲は細胞 雲は 誰だ
わたしが 時なら
この夏の雨もまたわたし
ぎっしりと詰めこまれ
記憶を橋ごとつれ去る
時の瞳 時と時の間に
見られ
ゆび差され
真空はどこにでも存在し
遂にその名前を知らない
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